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どうする家康 第24回 築山へ集え! のあらすじ
今回も歴史上の人物は敬称を省略させていただきます。
今回も一部ネタバレの要素があるかもしれませんので、まだ未見の方はお気をつけください。
瀬名が描く夢がとうとう具現化した回となりました。
その夢とは各大名がお互いの利害を補い合い、同じ通貨を使うことにより巨大な経済圏を構築し、戦ではなく話し合いで物事を決めていくという壮大な計画でした。
瀬名の熱い説得により殿(徳川家康)も納得し、武田とも調整済みでお互いに空砲を撃ちあうなどし戦をしていると見せかけ、同調する勢力が増えるのを待つばかりという状態でした。
しかし、皆が心穏やかに過ごす日々はそう長くは続きかないのでした。
野心を捨てきれない武田勝頼の裏切りにより、瀬名の計画を広く世にばらされてしまい、この計画は破綻を迎えます。
この事は敵を倒すためなら武力をも厭わずばく進してきた織田信長にこのことが知られることとなります。
織田(徳川も)が敵対する武田と通じていたと捉えられかねない行動なわけで、非常に深刻な事態を迎える事になります。
どうする家康 第24回 築山へ集え! から現代へのメッセージになるような部分について考える
瀬名の計画は現代でわかりやすく言うと「EU(欧州連合)」のようなものではないでしょうか。
連携する大名が戦を有事を解決する手段として用いるのを止めて、お互いの利害を補完し合い、困りごとは話し合いで解決していくというのは正に理想ですよね。
経済に関しても同じ通貨を使用するということで、この枠組みに入れなければ経済的にも孤立する可能性がありますよね。
そうなるとどんどん仲間になっていかざるを得ず、その段階であれば武力で物を言わせる織田家も合流する可能性があったかもしれません。
しかしこの素晴らしい謀(はかりごと)も秘密が守られなくなった瞬間に崩壊します。
こういったことは現代でも通じる部分がありますよね。
例えば、権力ある者(政府、地域、会社など組織のレベルは問わない)に対し、不満が大きくなり、それが限界まで進めば失脚させようとする動きが少なからず出てくるでしょう。その方法は様々でしょうが。
不満を抱く者同士が結束し密談等を重ねある時、行動を起こす。こういうことは起こり得ますよね。
その中で大切な事は「秘密を守る」ということになるでしょう。
秘密が守られなければ計画が漏れてしまうことになり、実現が難しくなりますからね。
では、なぜ今回の24回において秘密が露呈したのでしょう。
武田家重鎮である穴山梅雪や千代が説得しきれなかったからでしょうか?
それも少なからずあるかと思いますが、武田勝頼の属性にあったのではないでしょうか?
勝頼の父である信玄の言葉を思い出してみましょう。
「勝者はまず勝ちて、しかる後に戦いを求め、敗者はまず戦いて、しかる後に勝ちを求む。わっぱよ。戦は勝ってから、始めるものじゃ」
まさにこれにつきると思います。武田勝頼の行動は敗者は・・に相当するのではないでしょうか?この決定をした瞬間に武田家の運命は決まってしまったのかもしれません。
とはいえ、瀬名の計画もこのように秘密が漏れればその瞬間に崩壊の方向へと向かう脆い側面がありましたので、仮に武田から秘密が漏れなくても、北条から漏れ織田と組んで徳川・武田が攻撃を受けるような場面があった可能性も考えられます。
もちろん武田勝頼の属性という一言で片付けることはできません。勝頼が育ってきた場面を過去の放送回から考えると、鍛錬の場で襲いかかる相手をバッタバッタと倒すシーンが印象的でした。
対して父の信玄は時には家康の目の前に現れ、本人に対し直接調略する場面(栗を事前に拾っておき渡す、あたたかいお茶をふるまう)が印象的でした。
武田親子の強さを描く上で対照的な描かれ方だったと思います。属性がどうつくられていくか、という事についていはまた今後お話することに致しましょう。
信玄の意思を継いで戦うことを選んだ勝頼について、「どうして自ら破滅へ向かうような選択をするのだろう?」と思う視聴者もいたかもしれませんが、このような対照的な描かれ方から考えると、勝頼の属性とは「戦」がより強く当てはまるのかもしれません。戦さは時の運があるとはいえ、周囲の反対を振り切り戦いを持って状況を打開するという選択をした時点で、武田家の敗北は決していたのかもしれません。信玄の言葉が身に染みる非常に深い回だったと思います。現代においても自ら進んで戦いを始めるような行動は、どういう結果を招くのかという事をよく考える必要がありますね。
対して、徳川家康は待ちに待って耐えに耐え、戦国の世を終わらせ平和な世の中を作ります。こうして対比しながら楽しむのも「どうする家康」の楽しみ方の一つかもしれません。
瀬名の計画が世に知れ渡ってしまったとことで、それは織田方にも知られることとなりました。瀬名が愛する者を、大切な者を守るために命をかけるその時が刻一刻と近づいています。第6回での瀬名の母上の言葉を思い出してみましょう。
そなたにも守らねばならぬものがある。
そなたが命をかけるべき時がいずれ必ずきます。
そのような場面は現実になってほしくはないと願い続けてきましたが、瀬名の夢は終焉を迎え、今後その夢はカタチを変えつつも家康へと引き継がれていくことになります。
また今回は服部半蔵こと山田孝之さんから、大鼠こと松本まりかさんへのプロポーズのシーンがありました。
大鼠の「〇〇すぞ」という返事は私的には「YES]と受け取りましたが皆さんはどう受け止めたでしょうか?